いよいよ高校野球のシーズンが近づいてきました。
昨年の平成28年春季高校野球東京都大会2回戦。都立昭和高校(昭島市)が、清宮幸太郎選手を擁する早稲田実業に、6-2で逆転勝ちしたのは記憶に新しいでしょう。
あの試合で「バカボンのパパ作戦」なる珍妙な名前の作戦を掲げ、都昭和を勝利に導いたのが、西砂町在住の森勇二監督でした。
「これでいいのだ!」
都昭和が大会2回戦で対戦したのは、あの怪物スラッガー清宮幸太郎選手を擁する早稲田実業。誰もが”敗退”を予想したのは、当然かもしれません。
しかし森勇二監督は選手を信じていました。今大会は「バカボンのパパ作戦」を掲げ、選手たちの活躍に手応えを感じていたからでした。
「バカボンのパパ作戦」とは何か。バカボンのパパの名セリフと言えば「これでいいのだ」。人生はいい時ばかりじゃない。ダメな時もある。そんな時悔やまずに、前向きに考えよう。それが森勇二監督が考えた「バカボンのパパ作戦」の主旨でした。
すべてを前向きに
監督は、早実戦の秘策としてホワイトボードに作戦名を掲げ、「これでいいのだ。『~のに…』を『~のだ!』に変える。何が起きても動じない」とナインを鼓舞。
どんな結果になっても、前向きに「これでいいのだ」と考えさせました。
この試合では残塁が12と多かったのですが、「これでいいのだ、と。残塁が出てもいいのだ」と、チャンスが生まれていることの方を重視したのです。
8回に巡ってきた満塁機では小谷選手に「スクイズはしないぞ。角度をつけて外野フライを打て」とアドバイス。すると小谷選手にとって、生涯初のサク越えとなる満塁弾が飛び出しました。
背番号11の左腕田舎選手も「これでいいのだ」精神でピンチを受け入れ、好投!
5回には本来なら遊撃定位置のゴロが中前二塁打となり、シフトが裏目に出たのですが、田舎選手は「ホームランを打たれなくてよかった」。これでいいのだ、と割り切って後続を断ちました。
その結果が6-2の逆転勝ち。野球ファンを唸らせました。
受験にも万全の体制
都昭和は、東京都教育委員会から学校改革を全面的にバックアップする「アドバンス校」の指定を受け、近年難関大学への合格実績が著しい高校の一つです。
夏休みには、多くの講習が実施されており、予備校に通わずとも大学受験に向けて、万全の体制を敷いています。
この夏も都昭和野球部が多くの高校野球ファンを楽しませてくれることでしょう。なお現在、森さんは都立国分寺高校の監督をされています。